55〕 地域再生法(33の2)
この法律は、近年における急速な少子高齢化の進展、産業構造の変化等の社会経済情勢の変化に対応して、地方公共団体が行う自主的かつ自立的な取組みによる地域経済の活性化、地域における雇用機会の創出その他の地域の活力の再生を総合的かつ効果的に推進していくために、所要の措置を講ずることを目的としています。
【法17条の8(建築等の届出)】
地域再生土地利用計画に記載された集落生活圏の区域内において、次に掲げる行為を行おうとする者は、これらの行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他国土交通省令で定める事項を認定市町村の長に届け出なければならない。
一 当該地域再生土地利用計画に記載された前条第3項第2号の誘導施設を有する建築物の建築の用に供する目的で行う開発行為又は当該誘導施設を有する建築物を新築し、若しくはその用途を変更して当該誘導施設を有する建築物とする行為(当該誘導施設の立地を誘導するものとして当該地域再生土地利用計画に記載された地域再生拠点区域内において行われるものを除く。)
二 当該地域再生土地利用計画(前条第4項第2号に掲げる事項が定められているものに限る。)に記載された地域再生拠点区域内における土地の区画形質の変更、建築物の建築その他政令で定める行為(当該地域再生土地利用計画に記載された同項第1号に規定する事業の係るものを除く。)
2 次に掲げる行為については、前項の規定は、適用しない。
一 軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
三 都市計画法第4条第15項に規定する都市計画事業の施行として行う行為又はこれに準ずる行為として政令で定める行為
四 その他認定市町村の条例で定める行為
3 第1項の規定による届出をした者は、当該届出に係る事項のうち国土交通省令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の30日前までに、国土交通省令で定めるところにより、その旨を認定市町村の長に届け出なければならない。
4 認定市町村の長は、第1項又は前項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が地域再生土地利用計画に適合せず、地域再生拠点の形成を図る上で支障があると認めるときは、当該届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し場所又は設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
5 認定市町村の長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、当該誘導施設に係る地域再生拠点区域内の土地の取得又は当該届出に係る土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(解 説)
この法律では、地方公共団体は、単独又は共同して地域再生を図るための計画を作成し、内閣総理大臣の認定を受けることができるとされていますが(法5条)、この認定を受けた地方公共団体を「認定地方公共団体」といいます(法8条1項)。
認定地方公共団体である市町村は、認定地域再生計画に記載されている集落生活圏について、地域再生拠点の形成並びに農用地等の保全及び農業上の効率的かつ総合的な利用を図るための土地利用に関する計画(地域再生土地利用計画)を作成することができます(法17条)。そして、この地域再生土地利用計画に記載された集落生活圏の区域内において一定の開発行為、建築行為を行おうとする場合や地域再生拠点区域において土地の区画形質の変更や建築物の建築を行おうとする場合は、これらの行為に着手する日の30日前までに、一定事項を認定市町村の長に届けなければなりません(法17条の8第1項)。また、認定市町村の長は、その届出に係る行為が地域再生土地利用計画に適合せず、地域再生拠点の形成を図る上で支障があると認めるときは、場所又は設計の変更等を勧告することができるとされています(同条4項)。
これらの届出義務のことを知らないで、当該区域内の土地建物を購入等した場合、届出をしないこと等により罰則を受けるなど、不測の損害を被るおそれがありますので、法令上の制限として重要事項説明の対象とされています。