36〕 河川法(19)

この法律は、河川について、洪水、高潮等による災害の発生が防止され、河川が適性に利用され、および流水の正常な機能が維持されるようにこれを総合的に管理することにより、国土の保全と開発に寄与し、もって公共の安全を保持し、かつ公共の福祉を増進することを目的としています。

【法26条1項(河川区域内における工作物の新築等の制限)】

河川区域内の土地において工作物を新築し、改築し、または除却しようとする者は、河川管理者の許可を受けなければなりません(法26条1項)。

 

(解説)

「河川」とは、1級河川、2級河川およびこれらの河川に係る河川管理施設をいいます(法3条1項)。

 

そして、「河川区域」とは、次の各区域をいいます(法6条1項)。

①河川の流水が継続して存する土地および地形、草木の生茂の状況その他その状況が、河川の流水が継続して存する土地の類する状況を呈している土地(河岸の土地を含み、洪水その他異常な天然現象により、一時的に当該状況を呈している土地を除きます)の区域(1号地)

②河川管理施設(ダム、堤防等河川の流水によって生ずる公利を増進し、または公害を除却し、もしくは軽減する効用を有する施設で、河川管理者が設置し、または管理する施設)の敷地である土地の区域(2号地)

③堤外(堤防より河川側)の土地(一定のこれに類する土地および一定の遊水地を含みます)の区域のうち、1号地と一体して管理を行なう必要があるものとして、河川管理者が指定した区域(3号地)

 

「河川管理者」とは、1級河川にあっては国土交通大臣、2級河川にあっては都道府県知事、準用河川にあっては市町村長をいいます(法7条)。

 

【法55条1項(河川保全区域における行為制限)】

河川保全区域内において、土地の掘削等土地の形状を変更する行為、または工作物の新築、改築をしようとする者は、原則として、河川管理者の許可を受けなければなりません(法55条1項)。

 

(解説)

「河川保全区域」とは、河川管理者が、河岸または河川管理施設を保全するため、河川区域の境界から50メートルを越えない範囲内で指定した区域をいいます(法54条1項)。

【法57条1項(河川予定地における行為制限)】

河川予定地において、土地の掘削等土地の形状を変更する行為、工作物の新築、改築をしようとする者は、原則として、河川管理者の許可を受けなければなりません(法57条1項)。

 

(解説)

「河川予定地」とは、河川管理者が、河川工事を施工するため必要があるときに、河川工事の施工により新たに河川区域内の土地となるべき土地として指定したものをいいます(法56条1項)。

【法58条の4第1項(河川保全立体区域における行為制限)】

「河川保全立体区域」とは、河川管理者が、河川立体区域を指定する河川管理施設を保全するため必要なときに、当該河川立体区域に接する一定の範囲の地下または空間につき指定したものをいいます(法58条の3第1項)。

【法58条の6第1項(河川予定立体区域における行為制限)】

河川予定立体区域内において、土地の形状を変更する行為または工作物の新築、改築を行なおうとする者は、原則として、河川管理者の許可を受けなければならない(法58条の6第1項)。

 

(解説)

「河川予定立体区域」とは、河川管理者は、河川工事を施工するため必要があるときに、河川工事の施工により新たに河川立体区域として指定すべき地下または空間につき指定したものをいいます(法58条の5第1項)。