37〕特定都市河川浸水被害対策法
37〕 特定都市河川浸水被害対策法(19の2)
この法律は、都市部を流れる河川の流域において、著しい浸水被害が発生し、またはそのおそれがあり、かつ、河川等の整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難な地域について、浸水被害から国民の生命、身体または財産を保護するため、当該河川および地域をそれぞれ特定都市河川および特定都市河川流域として指定し、浸水被害対策の総合的な推進のための流域水害対策計画の策定、河川管理者による雨水貯留浸透施設の整備その他の措置を定めることにより、特定都市河川流域における浸水被害の防止のための対策の推進を図り、もって公共の福祉の確保に資することを目的としています。
【法9条(雨水浸透阻害行為の許可)】
特定都市河川流域内の宅地等以外の土地において、土地の形質の変更等の行為であって、雨水の浸透を著しく妨げるおそれのあるものとして政令で定める規模以上のものをしようとする者は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法9条)。
(解説)
「特定都市河川流域」とは、特定都市河川の流域として、国土交通大臣または都道府県知事が指定するものをいいます(法2条2項)。
そして、「特定都市河川」とは、都市部を流れる河川であって、その流域において著しい浸水被害が発生し、またはそのおそれがあるにもかかわらず、河道または洪水調整ダムの整備による浸水被害の防止が市街化の進展により困難なもののうち、国土交通大臣または都道府県知事が区間を限って指定するものをいいます(法2条1項)。
【法16条(雨水浸透阻害行為の変更の許可)】
上記9条の許可を受けるためには、一定の事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければなりませんが、当該記載事項の変更をしようとする場合には、原則として、都道府県知事等の許可を受けなければなりません(法16条1項)。
【法18条(雨水貯留浸透施設の機能を阻害するおそれのある行為の許可)】
上記9条の許可を受けようとする者は、当該許可の申請に際して雨水貯留浸透施設の設置等の対策工事を講ずる必要がありますが、当該工事によって設置された雨水貯留浸透施設について、一定の行為をしようとする者は、原則として、都道府県知事等の許可が必要とされています(法18条1項)。
【法25条(保全調整池に係る行為の届出)】
都道府県知事は、特定都市河川流域内に存する一定の防災調整池を、保全調整池として指定することができるとされているところ、当該保全調整池について、一定の行為をしようとする者は、原則として、都道府県知事等に対する一定事項の届出をしなければならないとされています(法25条1項)。
【法31条(保全調整池に係る管理協定の効力)】
地方公共団体は、保全調整池について必要があるときは、当該保全調整池の所有者等との間で管理協定を締結することにより、当該保全調整池の管理を行なうことができるとされていますが、当該管理協定は、その公告のあった後に当該保全調整池の所有者等となった者に対しても、効力が及ぶとされています(法31条)。