23〕 港湾法(13)
【法37条1項4号(港湾区域内の工事等の許可)】
港湾区域内または港湾隣接区域内において、港湾の開発、利用または保全に著しく支障を与えるおそれのある一定の行為をしようとする者は、原則として、港湾管理者の許可を受けなければなりません。
【法40条1項(臨港地区内の分区内における建築物等の建築の規制)】
臨港地区内で港湾管理者が指定した分区の区域内においては、各分区の目的を著しく阻害する構築物で地方公共団体が条例で定めるものを建設することができません。
また、構築物を改築し、またはその用途を変更して、その条例で定める構築物とすることもできません。
【法45条の6(特定港湾情報提供施設協定の効力)】
港湾の利用に関する情報の効率的かつ効果的な情報の提供を図るため、港湾管理者以外の者が所有する案内施設、見学施設その他の港湾の利用に関する情報を提供するための施設等(特定港湾情報提供施設)について、港湾管理者が自ら管理する必要があるときは港湾管理者は、上記の情報提供施設の所有者である民間事業者等と「特定港湾情報提供施設協定」を締結できますが(法45条の4)、この協定はその公示のあった後においては特定港湾情報提供施設の所有者となった者に対してもその効力が及びます。
【法50条の13(共同化促進施設協定の効力)】
特定港湾管理者が、輸入ばら積み貨物の積卸し、保管または荷さばきの共同化を促進するための共同化促進施設の整備または管理に関する協定を認可し、その公告があったときは、その公告のあった後の当該協定共同化促進施設の施設所有者等または予定施設所有者等となった者に対しても、その協定の効力が及びます。
【法50条の20(官民連携国際旅客船受入促進協定の効力)】
官民の連携による国際旅客船の受入れの促進を図るため、旅客施設その他国際旅客船の受入れを促進するために必要な施設として国土交通省令で定めるもののうち、港湾管理者以外の者が整備するもの(民間国際旅客船受入促進施設)の整備または管理等に関して、港湾管理者は、民間国際旅客船受入促進施設の所有者である民間事業者等(施設所有者等)と「官民連携国際旅客船受入促進協定」を締結できますが(法50条の18)、この協定はその公示があった後に施設所有者等になった者に対してもその効力が及びます。
(解説)
この法律は、交通の発達及び国土の適正な利用と均衡ある発展に資するため、港湾の秩序ある整備と適正な運営を図るとともに航路を開発し、および保全することを目的とします。
「港湾区域」とは、水域を経済的に一体の港湾として管理運営するための必要最小限の区域であり、その区域に隣接する水域を地先水面とする地方公共団体の利益を害しない等の要件を満たすとして、国土交通大臣または都道府県知事の同意を受けた区域をいいます。
「港湾隣接地域」とは、港湾区域に隣接する地域であって港湾管理者の長が指定する区域をいいます。
「臨港地区」とは、港湾区域を地先水面とする地域において、その港湾の管理運営に必要な最小限度のものとして都市計画において定められた地区、または港湾管理者が定めた(都市計画区域以外の地域の場合)地区をいいます
「分区」とは、臨港地区内の土地利用の適正化を図るために港湾管理者が臨海地区内に指定した区域で下記のものをいいます。
イ.商港区 ロ.特殊物資区 ハ.工業港区 ニ.鉄道連絡港区 ホ.漁港区 など
また、近時外国のクルーズ船の訪日が急増している中で、訪日クルーズ旅客数の拡大に向けた課題解決の一環として港湾法の改正が行われ、外航クルーズ船の受入れ拠点の形成の推進を図るため、港湾管理者と民間事業者が一定の協定を締結できることとなりました。(施行:平成29年7月8日)。
それが、特定港湾情報提供施設協定制度(同法45条の4)と官民連携国際旅客船受入促進協定制度(同法50条の18)ですが、それらの協定の対象である施設が含まれる宅地または建物を購入等する者が、その協定を知らなかった場合、不測の損害を被るおそれがあるため、それらの協定の承継効に関する規定が重要事項説明の「法令上の制限」に追加されました。