28〕マンションの建替え等の円滑化

28〕 マンションの建替え等の円滑化に関する法律 (17の2) 

【 法105条1項(容積率の特例)】

耐震診断が行われたマンションの管理者等は、特定行政庁に対し、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を申請することができ、この認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築される建築面積が政令で定める規模以上のマンションで、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がなく、かつその建ぺい率、容積率及び各部分の高さについて総合的な配慮がなされていることにより市街地の環境の整備改善に資すると認めて許可したものについては、その許可の範囲内において、建築基準法の容積率制限を緩和することができることになっています。

 

(解説)

マンションの建替えをスムーズに行えるようにすることを目的として、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」が制定され、平成14年12月11日から施行されています。

しかし、その後もマンションの建替えの事例は必ずしも多くはなく、平成25年4月までの時点で、累計で183件、戸数で約14,000戸程度です。一方、昨今、巨大地震発生のおそれが言われている中で、耐震性不足の老朽化マンションの建替えが大きな課題となっているところ、国土交通省の推計では、平成25年12月末時点における全国のマンションストック総数約601万戸のうち、昭和56年の建築基準法施行令改正以前の耐震基準(旧耐震基準)で建設されたものが約106万戸存在しますが、その多くは耐震性不足と考えられます。

このような状況を踏まえ、耐震性不足のマンションについて除却の必要性の認定制度、マンション及びその敷地の特別多数決議による売却等に係る同法の改正が行われ、平成26年12月24日に施行されました。

その改正法により、耐震性不足により、当該マンションを除却する必要がある旨の認定を受けたマンションの建替えにより新たに建築されるマンションで、敷地面積が一定の規模以上を有し、市街地環境の整備・改善に資するものについて、特定行政庁の許可の範囲内において建築基準法の容積率制限を緩和することができることになっています(法105条1項)。その一定の「規模以上」と政令で定める面積は、次のとおりです。

<政令(施行令第27条)で定める規模>

27.4

このように、特定行政庁の許可を受けて、容積率制限の適用を受けるマンションは、敷地面積規模に係る制限等を受けることとなっていますので、同法105条1項が重要事項説明における公法上の制限(業法施行令3条1項)として追加されました。