57〕災害対策基本法(35)

*法第49条の5(指定緊急避難場所等における改築等の届出)

同法では、市町村長は政令で定める基準に適合する施設または場所を、洪水、津波その他の政令で定める異常な現象の種類ごとに、指定緊急避難場所として指定しなければならないとされ、また政令で定める基準に適合する公共施設その他の施設を指定避難所として指定しなければならないとされていますが、その指定緊急避難場所及び指定避難所の管理者が、当該場所等を廃止し、または改築その他の事由により当該施設の現状に重要な変更を加えようとするときは、市町村長に届け出なければならないこととされています。

 

(解説)

この法律は、昭和34年に発生した伊勢湾台風による災害を契機に昭和36年に制定された法律ですが、東日本大震災の経験を踏まえて、平成25年に改正がなされました。改正の要旨は、①市町村長による避難行動要支援者名簿の作成②被災市町村、被災都道府県の事務の、国による応急措置の代行③市町村長による指定緊急避難場所及び指定避難所の指定の3つですが、その③の内容は次の通りです。

 

市町村長は、指定緊急避難場所(災害が発生し、または発生する場合における円滑かつ迅速な避難のための立退きの確保を図るため、市町村長が指定する施設または場所)を指定しなければならないものとし、また指定避難所(災害が発生した場合における適切な避難場所の確保を図るため、市町村長が指定する施設)を指定しなければならないものとしています。そして、その指定緊急避難場所及び指定避難所の管理者が、当該指定緊急避難場所等を廃止し、または改築その他の事由により当該施設の現状に重要な変更を加えようとするときは、その旨を当該市町村長に届出することが義務づけられています。

 

これらの場所等の管理者には、届出という負担があるため、もし、これを知らないで当該宅地または建物を購入等したものは、不測の損害を被る恐れがあります。

 

そこで、同法のその部分の施行(平成26年4月1日)に伴い、重要事項説明の「法令の制限」にこれが追加されました。

 

なお、指定緊急避難場所等は、市町村長により公示がなされます。