44〕 森林法(24)
この法律は、森林計画、保安林その他の森林に関する基本的事項を定めて、森林の保続培養と森林生産力の増進とを図り、もって国土の安全と国民経済の発展とに資することを目的としています。
【法10条の2第1項(地域森林計画対象民有林における開発行為の制限)】
地域森林計画の対象となっている民有林において開発行為をしようとする者は、原則として、都道府県知事の許可を受けなければなりません(法10条の2第1項)。
【法10条の11の6(森林所有者を確知することができない場合における要間伐森林の間伐)】
市町村の長が要間伐森林の森林所有者に対する通知の内容を掲示した場合において、その掲示に係る要間伐森林についての特定所有権及び特定使用権を取得しようとする者で当該市町村の長の指定を受けたものは、通知が当該森林所有者に 到達したものとみなされた日から六月以内に、都道府県知事に対し、農林水産省令で定めるところにより、当該特定所有権及び特定使用権の取得に関し裁定を申請することができます。
都道府県知事は、必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該申請に係る契約を締結すべき旨の裁定をするものとされます。
裁定について公告があつたときは、その裁定の定めるところにより、その裁定の申請をした者は、当該要間伐森林についての 特定所有権及び特定使用権を取得します。
(解説)
「地域森林計画」とは、農林水産大臣が全国の森林につき5年ごとに15年を1期として立てる全国森林計画に即して、都道府県知事が森林計画区別に、その森林計画区にかかる民有林につき5年ごとに10年を1期として立てる計画をいいます(法5条1項、4条1項)。
「民有林」とは、国有林以外の森林をいいます。
「国有林」とは、国が森林所有者である森林および国有林野法10条1号に規定する分収林である森林をいいます(法2条3項)。
【法31条(保安林予定森林における一定の行為の制限)】
都道府県知事は、告示があった保安林予定森林について、90日を超えない期間内において、立竹木の伐採または土石の採掘等の土地の形質を変更する行為を禁止することができます(法31条)。
(解説)
農林水産大臣は、保安林の指定をしようとするときは、あらかじめその旨ならびに保安林予定森林の所在場所、指定の目的等を、その森林の所在地を管轄する都道府県知事に通知しなければならず、通知を受けた都道府県知事は、遅滞なくその通知の内容の告示等を行い、90日を超えない期間内において、一定の行為を禁止することができます。
「保安林」は、農林水産大臣が、a水源のかん養、b土砂の流出の防備、c土砂の崩壊の防備、d飛砂の防備、e風害・水害・潮害・干害・雪害または霧害の防備等の目的を達成するために必要があるときに、森林について指定するものをいいます(法25条1項)。
【法34条1項・2項(保安林における制限)】
保安林においては、原則として、都道府県知事の許可を受けなければ、立木の伐採等の行為をしてはなりません(法34条1項・2項)。