30〕 自然公園法(18)

この法律は、優れた自然の風景地を保護するとともに、その利用の増進を図り、もって国民の保健、休養および教化に資することを目的としています。

【法20条3項(特別地域内における建築行為等の制限)】

特別地域(特別保護地区を除きます)内において、工作物の新築や土地の形状の変更等の行為をしようとする者は、原則として、国立公園の場合は環境大臣、国定公園の場合は都道府県知事の許可を必要とします(法20条3項)。

 

(解説)

「特別地域」とは、国立公園については環境大臣が、国定公園については都道府県知事が、当該公園の風致を維持するために、公園計画に基づいて、その区域(海面を除きます)内に指定した区域をいいます(法20条1項)。

 

ここに「公園計画」とは、国立公園または国定公園の保護または利用のための規制または施設に関する計画で、環境大臣が決定するものをいいます。

【法21条3項(特別保護地区内における建築行為等の制限)】

特別保護地区内において、工作物の新築や土地の形状の変更等の行為をしようとする者は、原則として、国立公園の場合は環境大臣、国定公園の場合は都道府県知事の許可が必要です(法21条3項)。

 

(解説)

「特別保護地区」とは、国立公園については環境大臣が、国定公園の場合は都道府県知事が、当該公園の景観を維持するため、特に必要があるとして、公園計画に基づいて特別地域内に指定した地区をいいます(法21条1項)。

 

【法22条3項(海中公園地区内における建築行為等の制限)】

海中公園地区内において、工作物の新築や海面の埋立等の行為をしようとする者は、原則として、国立公園の場合は環境大臣、国定公園の場合は都道府県知事の許可が必要です(法22条3項)。

 

(解説)

「海中公園地区」とは、国立公園の場合は環境大臣が、国定公園の場合は都道府県知事が、当該公園の海中の景観を維持するため、公園計画に基づいてその区域の海域内に指定した地区をいいます(法22条1項)。

【法33条1項(普通地域内における建築行為等の制限)】

普通地域内において、工作物の新築や土地の形状の変更等の行為をしようとする者は、原則として、国立公園の場合は環境大臣の、国定公園の場合は都道府県知事に対し、行為の種類、場所、施行方法等の事項を届け出なければなりません(法33条1項)。

 

(解説)

「普通地域」とは、国立公園または国定公園の区域のうち、特別地域および海中公園地区に含まれない区域をいいます。

【法48条(風景地保護協定の効力の承継)】

国立公園または国定公園内の自然の風景地の保護のため必要があるときには、環境大臣もしくは地方公共団体または一定の公園管理団体が、当該公園の区域内の土地所有者等と風景地保護協定を締結することができますが、この協定は、その公告がなされた後に協定区域内の土地所有者となった者に対しても、効力がおよびます(法48条)。

 

(解説)

「風景地保護協定」とは、環境大臣もしくは地方公共団体または一定の公園管理団体が、土地の区域、管理方法、必要な施設の整備に関する事項および協定の有効期間などについて、土地の所有者等と締結する協定をいいます。

この協定は、その公告後に協定区域内の土地の所有者等となった者に対しても効力が及ぶものとされています(風景地保護協定の効力の承継効)

【法73条1項(都道府県立自然公園の区域内における建築行為等の制限)】

都道府県立自然公園内において、工作物の新築や土地の形状の変更等の行為をしようとする者は、その都道府県の条例によって、国立公園または国定公園における特別地域または普通地域内における行為に対する規制の範囲内で、必要な規制を受けることがあります(法73条1項)。