39〕津波防災地域づくり法(20の2)

【法23条1項(津波防護施設区域内における土地の掘削等の許可)】

津波防護施設管理者(津波防護施設を管理する都道府県知事または市町村長)は、津波防護施設区域を指定するものとしているが、(法21条)、その指定区域内において土地の掘削等をしようとする者は、津波防護施設管理者の許可を得なければなりません。

【法52条(指定津波防護施設の改築等の許可)】

都道府県知事は、浸水想定区域に存する施設について一定の要件を満たすものを、指定津波防護施設として指定できるものとしているが(法50条)、その指定津波防護施設の改築等をしようとする者は、都道府県知事に一定の届出をしなければなりません。

【法58条(指定避難施設の現状変更行為の届出)】

市町村長は、警戒区域内に存する施設について一定の要件を満たすものを、指定避難施設として指定できるものとしているが(法56条)、その指定避難施設の管理者は、改築等のその指定避難施設の現状に重要な変更を加えようとするときは、市町村長に一定の届出をしなければなりません。

【法68条(警戒区域内の施設の管理協定の承継効)】

市町村長は、円滑かつ迅速な避難の確保を図るため、警戒区域内の施設で一定の基準に適合するものの所有者と管理協定を締結し、その施設の避難用部分の管理を市町村長が自ら行うことができるものとしているが(法60条)、公告のあった管理協定については、公告後においてその管理協定に係る協定避難施設の所有者等となった者に対してその効力が及びます。

【法53条1項(津波災害警戒区域内の宅地建物)】

都道府県知事は、津波の警戒避難体制を特に整備すべき土地の区域を、津波災害警戒区域として指定することができますが、宅地・建物がその指定区域内にあるときは、その旨を重要事項として説明しなければなりません(宅地建物取引業法第35条第1項第14号イの国土交通省令・内閣府令、同号ロの国土交通省令、同法施行規則第16条の4の3第3号)。これは、宅地・建物の売買、交換、賃借のいずれの場合でも説明が義務づけられています。

 

(解説)

東日本大震災により甚大な被害を受けた地域の復興にあたっては、将来を見据えた津波災害の防止・軽減に優れた地域づくりを推進するため、汎用的な制度を創設する必要があります。

この法律は、津波災害の防止効果が高く、将来に渡って安心して暮らすことのできる安全な地域の整備等を総合的に推進することにより、津波による災害から国民の生命、財産の保護を図るため、市町村による整備推進計画の作成、津波災害警戒区域における警戒避難体制の整備並びに津波災害特別警戒区域における一定の開発行為及び建築等の制限に関する措置等を定めています(施行・平成23年12月27日)。

 

同法に施行に伴い、宅地建物の所在地が津波災害警戒区域に該当するときは、その旨を重要事項として説明しなければならないものとされ、また重要事項説明における「法令に基づく制限」として、上記の届出等に関する記載が追加されました。